自意識の強いブログ

absolutely illiterate

納骨に行きました

 

祖母の四十九日が終わったので、納骨に行ってきました。

 

朝っぱらから車とバスを取っ替え引っ替えし

ねんみい〜〜〜〜〜〜〜〜zzz

思ってると、

 

…武道館?

 

そこが目当ての霊廟でした。

 

手続きをあっ…………………………

という間に済ませると、

「名前呼ぶから待っててね〜」と通された場所はまるで巨大な歯医者の待合室。

 

ツルツルした座椅子にあやしいイージーリスニング

そして目の前のモニターには何やら退屈なアニメーションが。

 

休めばいいのに、しんどそうな修行をはしごする駆け出しボウズ。

古き悪しき企業体質。

う〜ん、さすが浄土真宗、年季が入っとる。

 

ゴッドファーザーを見終わるくらい待たされると、ようやく名前が呼ばれました。

 

自意識強山さん〜A田さん〜B野さん〜C川さん〜アイリスオーヤマさん~…………

どうぞ〜〜!!!

 

ん?合同?みんな一緒にやるの?ウッドストック・フェスティバルか??

 

案内されたステージ…もといお堂にはパイプ椅子がずらりと100席ほど並んでおり、ぼくたちは幸運にもアリーナの中央最前をゲットしたのでした。

 

「皆さん、本日は遠近各地よりお越し頂きありがとうございます。」

と若い衆。

 

「(略)なお焼香に関して注意点がございます。黒い焼香台ですが、床とは固定されておりません。香炉には高温の灰が入っています。もし落とされてしまいますと、お怪我をされたり火事になったり大変危険でございます。くれぐれも焼香台にはお手を触れないようお気をつけ下さい…」

 

やけに煽るなあ。コントなら絶対焼香台が倒れて、ステージは火を噴くぞ。

それはそれでオツな演出だれども。

(おかげで焼香やるとき妙に緊張しちまったじゃあねえか。)

 

しばらくするとお坊さんが三人やってきて仏壇の前に座りました。

そのときぼくは思いました。

あっ!微妙に雁行形態になってる!!

 

つーか気づいたんだけどさ、

ここの坊さんみんな頭剃ってないな、フッサフサだな。

エトムント・フッサールだな、あるいはフサイン・マクマホン協定ってことでもいいのかもしれない。

まあそれはいいけど、こういうとこはかえって高野連なんかよりずっと現代的じゃん。

 

「「「ナマンダーブ・ナマンダーブ・ナマンダーブ」」」

ぼくたちは慌てて合唱します。

でもあれだな、ナマンダーブ微妙に揃ってなくて気持ち悪かったなあ。A型だからさ、俺。

 

そっからはメインのDOKYOです。

皆さんもご存知の通り、DOKYOはHIPHOPの源流であり、例えば空也上人はMC Hammerなんかが生まれる遥か昔にもうダンスとラップを融合させていたわけです。

 

そういうわけで遺族はやがてノリノリ、やおら立ち上がると身体をぶつけ合い、モッシュピットを形成する…ということもなくじっと座ってましたね。

 

まあしょーじき退屈なんだが。

真ん中の坊さんがお経を上げながら背中ボリボリ掻いてたのがちょー気になったね。

でもすぐ終わったから良かった。

 

忌明けのときにお経読んでもらった地元の坊さんなんか、ぼくらに振り仮名入りの経典配っときながらちょくちょく間違えてからな……

って母さんが言ってた、ぼくはぼーっとしてたから知りません。

 

さあーて読経も終わって坊さんも帰ってくぞ〜と思っていたら、しんがりの坊主が突然踵を返して再び座り込んでしまいました。

上手い!無駄のない動き、まるでスリラー。

 

扇子をこねくりまわし、漫談でも始まるのかなと思いきや

「せっかくですから本願寺が出版しております説話集より、一つ法話を講釈させて頂きたいと思います。」

 

半分宣伝やないかい。

申し訳ないけど話はほとんど聞いてませんでした。

確か、

ある日親鸞上人が床について悶々としていたら、仏様が枕元に立たれて「裸エプロンって結局お尻より横乳がアドなんだよねー」と仰られたおかげで開眼(スッキリ)した。

みたいな話でした。

(ホントすいません冗談なんで地獄に落とさないで下さい。)

 

法話が終わるとお坊さんは言いました。

「では皆さん、最後に今一度阿弥陀如来様に礼拝致しましょう。」

 

カモン!

「ナマンダーブ」

エビバディセイ!

「「ナマンダーブ」」

もういっちょチェケラッチョ!

「「「ナマンダーブ」」」

 

かくしてぼくたちは全然知らん人たちと一緒に死者のソウルをぶち上げたのでした。

これぞ南無阿弥ダブステップ

 

「お骨をお納めになります方は、ここを出まして本堂の賽銭箱の前でお待ちください。」

 

また待つんかい!

なんかずっと待ってる気がするど〜〜…

ユニバじゃないんだからyo頼むyo

 

賽銭箱の前の大香炉では線香が何かの手違いで炎を上げて燃えています。

ヤバいくらい煙が上がってる。

どれくらいかっていうと、牛角で調子のってカルビばっか頼んだときくらい。

 

みんなでゲホゲホいってると本堂の中からさっきの若い衆が出てきました。

「それではこれより親鸞様のおそばに納骨させて頂きます。」

 

若い衆は遺骨をお盆に乗せると、そのまま本堂の中に小さくなってゆきます。

背伸びして様子を伺うぼくたち遺族。

なんだこれ?チンアナゴの群れか?

 

若い衆は帰ってくるとなんかまたお話を始めました。

ぼくは例によって聞いてなかったけど隣で普通に参拝してたおばあちゃんが頷いてて笑った。

おばあちゃんは関係ないよ、ごめんね。

 

でも最後はみんな涙ぐんでたな。

…煙たくて。

 

これにて納骨はおわりー!!!

だったんだけど大人っていうのはいくらでも話すことがあるんだね、待ちくたびれちゃったよ。

 

大人は大人でしゃべってるし、妹は従姉妹としゃべってるし。

ぼくは独り…大人でも子供でもなく…

…就職も進学もできない…

 

…あっ!!!

 

俺は死んだー!!!!

 

ぼくの骨はペヤングの湯と一緒にシンクへ流してくれ…

 

 

おまけ)

千円札が手元になかったせいで、タイムズに停めた車を出せなくて苦労しました。

両替機くらいつけとけよ!

両替町のくせに。

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両替町のタイムズ



メーシャに行ってきました

 

皆さん、おひさしブリーフ!

最近急に暑くなったせいか、締切まで一か月を切っている論文の構想が木っ端みじんに吹き飛んだせいか、ぼくは完全に体調を崩してしまいました。
免疫力が落ちたせいで、頭は痛いわ、蕁麻疹は出るわ、喉は潰れるわ。
さながら身体が学級崩壊したかのような、そんな感じでした。

眼がゴロゴロするので鏡を見ると片目が真っ赤に充血しています。
それが鼻詰まりの要領で左右交互に来るんだからたまりません。
そんなわけで早めに床に就きました。
もっとも暑すぎてとても寝つけませんでしたが・・・

こうして取引に夢中になっていたオレは、背後から近付いてくるもう一人の仲間と云々し、その後もカクカクシカジカあり、とにかく目が覚めたらまぶたが腫れあがっていたのです。

それがもうまるで試合後のボクサーさながらといった風貌です。
違いは、ボクサーが死闘の殊勲として持ち帰るそれを、ぼくは寝起きの鈍い驚きをもって迎えたということです。

そのあとは病院に行かずに済む理由ばっか考えていたんですが、親の厳命や明日の予定もあり、しぶしぶメーシャへ重い腰を上げたわけでございます。

受付を済ませ、持参したプルゥストでも読んでしばらく待っていると名前が呼ばれました。
「おっ速いじゃーん」なんて思いながら、ナースの指示通りスツールに腰かけ、双眼鏡を五倍いかつくした器具にアゴをのせると、視界の先には気球がピントの位置をずらしながら膨らんだり縮んだりしています。

いやこれ視力的なやつ測るやつやん!
ぼくは目の腫れをどうにかしてほしいんだが。
病院はしばしば強権を発動して従順な患者を丸め込めます。
医者に「ここで跳べ!」と言われたら大半の人は跳ぶのではないかと思います。

「それじゃあ今度は風を出しますね」とナースが言いました。
無論意味がわかりません。

いつの間に眼科は己の職分の中に「風を出す」ということを加えたのでしょう。

 

それでもぼくはおとなしくレンズの中の緑の光点を見つめていました。

すると突然ほこりを吹くような鋭い吐息が眼球めがけて飛んできました。

ぼくは思わず立ち上がって「大丈夫ですか?」と訊ねました。

このように人は大丈夫じゃないとき、かえって自分の方から相手が大丈夫かどうか聞いてしまうものです。

 

当然ナースは大丈夫なので「じゃあもう一度出しますね」と平然と言い放ちます。

「目をもっと見開いてください」と追い打ちまでかけてきます。

けれどもぼくの方はただでさえまぶたが腫れているうえに、意表の先制攻撃で笑いが止まらず、いつ来るか予測できない第二波をびくびくしながら待つ、という始末ですからどうしようもありません。

都合片目につき三度の吐息攻撃に甘んじる次第となりました。

(この風圧療法のあらたかな霊験について問いただすことはすっかり失念していました・・・)

 

続いては本式の視力検査です。

ところで、眼がいいことだけが自慢だったぼくもここ数年ですっかり視力が悪くなってしまったので、自然視力検査の方も落第が決定している成績発表のような憂鬱なイベントになっていることを皆さんには了解されたいと思います。

 

「右?左?うーんわかりません」

レンズを変えて

「あー上!上!左?下っぽい。あーそこは困ります」

またレンズを変えて、今度は左右を変えて、延々半ば勘で四方を答えるマシーンと化していました。

 

「わからない?」と言われると期待に沿えないことがなんだか申し訳なくなって目を凝らしてみますが今度は「目を細めないで!」と注意されます。

しびれを切らしてついに「右か下!!」と禁断の二枚抜きを敢行したりもしました、四択なのにネ(何も言われなかったので多分どっちかが正解だったんでしょう)。

何度もやっているうちに答えも覚えてきたので、視力検査という名目の内実を首尾よく記憶力検査へと転じることができました。

こうなればワタクシ負けません。

 

ただ一つだけどうしてもわからないものがありました。

同列の他のランドルト環は認識できるのに、そいつだけはレンズをいくら変えても、角度を変えてもわからないのです。

「え~~・・・右?」

「違います」

「じゃあ・・・あ、上か!」

「違います」

ナースはとうとう笑い出してしまいました。ぼくも笑いました。

四つに一つを二回続けて外したのでは博打となんら変わるところありません。

 

そいつよりも小さい奴らはちゃ~んと分かるんです。

でもそいつだけ分からない。それが不思議でなりませんでした。

最後にナースが「さっきのは左だよ」と教えてくれました。

これには驚きました、第一印象は右だったんですから。真逆です。

 

ナースが狂言でもしているのではないかと疑って近づいてみますと、突然そいつは左側にぽっかり穴を開けた、得意げな円環として姿を現しました。

ぼくは狐につままれたような心地になりました。

振り返ってみますとやはりナースは可笑しそうに笑っています。

 

「ナースは手品師である、よくよく注意するべし」

これが今日の訓戒であります。

しかしまんざら悪い気もしないのです。

いや白状するとかなり愉快でした。

 

「診察はだいたい三十分後くらいです」とナースが言いました。

「待ってる間に失明したらどうする」とは言いませんでしたが、また待たされるのではちょっぴり不服でした。

「それじゃあぼくとお話でもして待ちましょうか」

これももちろん言いませんでした。

 

         ⁂

 

診察室は暗室のようでした。

窓を覆う黒いフェルト布が外光を遮断する代わりに、オレンジの照明が先生の背後から室内を浮かび上がらせています。

位置的な関係から、患者からは先生の表情をはっきりと読み取ることができません。

強い照明は先生の輪郭を縁取って中を黒く染め上げてしまうからです。

ぼくの足元には先生の濃い影がかかっていました。

 

反面先生から見ればぼくの姿は追い詰められた大泥棒のようにはっきり捉えることができたでしょう。

この圧倒的な不均衡に加えてもうひとつの不均衡がありました。

それは、素人考えでは目を検査するにあまりに仰々しい装置でした。

「ここはショッカーの基地か?」

この二つのアンバランスは気弱なぼくをのっけから委縮させました。

 

先生は問診を開始しました。

しかしそれがぼくには正解と不正解が与えられていて、不正解を引くと先生は不機嫌になる、といった体で進行するので内心参りました。

実際には答えに正解も不正解も一つしかないわけですから、結局ぼくは何を答えるにも先生の圧に若干テンパる羽目になります。

「目が腫れたのはいつから?」

「今朝です」

「今朝!?」

「あ、はい。といっても今は幾分マシになったんですが・・・」

「今はマシ!?」

 

「今はマシ!?」の「!?」は医者から見るとそうではないという意味なのか、あるいは本当にマシでそんな軽症でわざわざ来るなという意味なのか、ぼくはそんな下手な勘繰りをせずにはおれないタチなのです。

 

「じゃあここに頭を当ててくださいね」

いよいよあの改造マシーンのおでましです。

ぼくは遠慮がちに顔をのせます。

するとすぐさま「もっと額を押し付けて!」と言われました。

「もっと!!」

 

これがホスト(医者)とゲスト(患者)の認識の違いです。

「くつろいでくださいね」と言われて実際くつろいでいるつもりでもやはりどこかに遠慮が残っているものです。

目ざとい医者はそれを見逃しません。それが彼らの本分だからです。

 

しかし本当に遠慮なく、思い切り額を押し付けていいものなんでしょうかね。

もしアンドレ・ザ・ジャイアントにそんな迂闊なことを言えば、高価な精密機器はたちまちヘッドバットでお釈迦になると思うんですが、そういう危険は考えないんですかね。

 

額をぐいと押し付けると「向こうのアンパンマンを見てください」と言われました。

アンパンマン、というのはこの鬼気迫る局面において意表の一着です。

見ると暗幕の手前にアンパンマンの人形がまるで首吊り自殺をしたように、無風の室内をくるくると回転しながらぶらさがっています。

冷静に考えるとこの図はちょっとした狂気です。壮観ですらあります。

皆さん、現代におけるシュルレアリスムとはこうして日常生活の中に何の疑問を抱かれることもなく溶け込んでいるのです。

 

ぼくが縊死したヒーローを悼んでいる間に、先生はぼくの目を検査します。

病因を突き止めた号砲か、お手上げの合図か知りませんが、ファミコン風の8ビットのサウンドエフェクトが鳴りました。

それがまたどうしようもなくミスマッチだったので、ぼくはこの狭い診察室をテーマパークと確信しました。

 

先生はしばらく逡巡した後「アレルギー性の結膜炎だと思います。目薬を出すのでそれで治らなければまた来てください」と言いました。

要するにはっきりしないんだな、とぼくは合点しました。

けれど主観的に感じることしかできなかったしんどさが、アレルギー性結膜炎なんて「よそ行き」の言葉を着せられてこんな風に投げ返される、というのはある種痛快ではあります。

 

診察が終わってからも随分待たされ、ようやく受付嬢から小さな点眼薬を頂戴することができました。

シシドカフカ片桐はいりを足して二で割ったような嬢でした。

彼女が平日の午後(ニートのぼくは休日気分ですが)の味気ないクリニックに微かなエロを添えていました。

 

はれてメーシャから解放されると、すこし涼しくなっていることに気がついて嬉しくなりました。

 

それと最後に一つだけよろしいでしょうか。

論文が本当にヤバい。

しかし切羽詰まるとブログを書きたくなるのがぼくの悪い癖。

 

追記

ぼくは杉下右京の「はいぃ?」のものまねが上手いです。