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自意識の強いブログ

たまに読んでください

バイトで3回死んだ話

今日はバイトの研修がありました(もう働き始めて2年経つのになんでやねん)。

今からその話をするので刮目せよ。

 

登場人物を紹介しよう。

A 普段は東京にいる弊社の代表、ユーモラス。

B 同じく普段は東京にいる仕事できそうな英語科の主任、美人だけど関西育ちの女性らしく当たりがキツい。苦手なタイプ

C 京都支社の英語主任、バリバリのキャリアウーマン然としている。優しい、好き

 

講師♀ 2年目、かわいくはない。

講師♂ 働き始めて1ヶ月という超新人、ういやつめ。

ぼく 本作の主人公。オタクのくせに職場に慣れてきて態度がでかい。地元に幼なじみの女の子がいる。彼女いない歴=年齢。

 

研修は代表Aのこんな一言から始まりました。

曰く、「2020年は何の年か分かりますか?オリンピックじゃないですよ(中笑い)入試改革の年です」

 

「この改革によって英語は現在の知識偏重のスタイルからスキル重視のスタイルに変わります。」

話が熱を帯びてくる。

「我々はこのチャンスを掴んで駿○に一発入れるためにこれまで新しい英語教育を提供してきました!」

なんだなんだ!?ちょっとかっこいいじゃん。おれっちも嫌いじゃないよ、そういうの。

 

「ですから今日はウチの認知なんとか(忘れた)型の授業でネイティブのイメージを文字通り身体で体得してもらいたい!」

 

身体で…………?///

なんだか嫌な予感がしてきました、こういう予感は外れたことがない。

 

「例えばね、I made you study. みたいな文章もね、訳読するんじゃなく、こうアイメイデュスタディィィィィィ!!!!!って感じでイメージつけて欲しいわけ」

いきなり虚空に向かってかめはめ波を打ち出す代表。

室内に微妙な空気が醸成される。

 

「じゃ、皆さんも一緒にやりましょうか。あ、Bさんもね。」

えっ!?嘘だろ、嘘だと言っておくんなまし

 

「いきますよ、アイメイデュスタディィィィィィ!!!!!皆さん一緒に!!」

 

「「「「アイメイデュスタディィィィィィ!!!!!」」」」

 

「もっと声だして!!身体も一緒に!!!」

 

「「「「「アイメイデュスタディィィィィィ!!!!!」」」」」

一心不乱に出るはずのないかめはめ波を打つぼくたち。

 

世界一受けたい授業みたいな雰囲気になっていた。

周りを見ると意外とみんなノリノリだった。

足手まといになるからと天津飯に一人家に残された餃子のような孤独感を味わった。

 

しかし本当の恐怖はこれからだった。「007は二度死ぬ」のである。

 

代表A「ではこれから皆さんに模擬授業をして頂きましょうかね」

きたか…………まあこれは覚悟していたさ…………

ぬるい部屋で嫌な汗をかく。

 

Cさん「じゃあ講師♂さんからやりましょうか!!」

ナイス!わりぃな新人、短い間だったがお前のことは忘れねぇ…………

ぼくは鉄筋コンクリートの荒野に投げ出された哀れなヤギに涙しつつ内心ほくそ笑んだ。

 

代表A「Cさん、でも講師くんはまだ浅いんでしょ?それは酷だから一番長い自意識くんからやってもらった方がいいよ」

 

気が利きすぎだアホンダラァ!!大人っつうのはみんなこうなのか?シクシクシクシク…………

上げて落とされて妙なスリルまで味わされたぼく氏、無念の模擬授業トップバッター。

 

露払いは、夜間や朝、長く伸びた草木が繁る草原や原野を集団で行く時、先頭を行く者のことである。この時水に濡れ体が冷えるため、好まれる仕事ではなく、一般に身分の低い者の役割とされる。(Wikipedia「露払い」より)

 

オタク三種の神器、《吃り・早口・えげつない眼球運動》を駆使して模擬授業を敢行するぼく。生徒役の講師に有無を言わせないまま終了。

 

代表A「Cさんからどうぞ」

Cさん「えーと、手順が幾つか抜けてましたね。」

しまった!テンパりすぎて忘れていた!

 

しょーもない言い訳をするぼく

「ここれはスライドにで&%¥$~$?%」フガフガ

焼け石にウォゥラァ……………………

 

Bさん「まず生徒さんと全然目合わせないよね?怒ってるのかなって感じ。後発音下手。カ!リィーグだから、ちゃんと予習してください。それと授業が単調、面白いこととか言えないの?」

想像せよ、歯に衣着せぬ女上司の言葉に凌辱されるオタクの姿を…………

感取せよ、自身の悲しい性を全て白日に下に晒されるオタクの心を…………

 

(でもちょっと好きかも…………///)

 

代表A「うーんぼくら大人から見るとね、自意識くんハニカんでてかわいいなあと思うけど、相手は高校生とかだから。そういう君も個性としてはアリだけど、仕事として演じることも大事だよ。殻破っていこうよ」

 

うつ病患者に頑張れって言っちゃダメだってことは最近ずいぶんと人口に膾炙してきた感がありますが、ネクラに「明るく楽しもうよ!」みたいなこと言うのもダメだってことは誰も知らないよね。

マジ頼むでWHOよ

 

ぼくは、研修参加するのを渋ってたときに上司に「代表は面白い人だから楽しいと思いますよ!」と諭されたのを思い出していた。

みんなが楽しいことを楽しまない権利だってあるんじゃないのか?ぼくは地下室人だった。

 

ところで、アメリカを横断する鉄道の線路には、枕木の数だけ黒人が埋まっているという。

 

あとの講師はぼくが命を賭して露を払った線路をシュッシュッポッポと走るだけだった。

 

ベテランの講師さんはみんなにべた褒めされていた。

新入りの講師くんも注意されるところはひとつもなかった。すこし甘いところも新人だから、これから良くなるからとむしろ好意的だった、そりゃそうだ。

 

結局なじられたのはぼくだけだった(ちなみにぼくは一番古参です。Cさんよりも古参)。

ぼくはすべての原罪を一身に引き受けたイエスだった、そしてこの駄文はそのスティグマの記録である…………

 

そして最後代表が恐ろしい科白を吐いた。

 「こういう研修を毎月やっていければと思っています。」

 

ぼくは三たび事切れた。

 

…………バイト、やめちゃおうかなあ。